みなさんは旅行に関する資格や検定をいくつご存知でしょうか?
日本には、国家資格となるものから、気軽に受けられる検定まで幅広くあります。
今回は、その中でも国家資格となる『旅行業務取扱管理者』についてご紹介していきたいと思います。
旅行業務取扱管理者ってどんな資格?
旅行業務取扱管理者は、国内や海外への旅行者との取引を、正確に、そして豊富な知識で行い、管理・監督をする責任者のこと、またはその資格を指します。
この資格には3つの種類があります。
1、総合旅行業務取扱管理者
2、国内旅行業務取扱管理者
3、地域限定旅行業務取扱管理者
1つ目の『総合旅行業務取扱管理者』は、海外と国内の旅行商品を両方取り扱える資格となります。扱える商品の幅が広く、この3つの中では最も難易度の高い資格と言えます。
2つ目の『国内旅行業務取扱管理者』は、総合とは違い、国内旅行商品のみを取り扱うことができます。
3つ目の『地域限定旅行業務取扱管理者』は、営業所のある市町村、隣接する市町村、観光庁長官の定める特定の地域の旅行商品のみを取り扱える資格となります。
運営・実施している団体がそれぞれ異なり、『総合旅行業務取扱管理者』は、一般社団法人日本旅行業協会が実施しており、『国内旅行業務取扱管理者』は、一般社団法人全国旅行業協会が実施、『地域限定旅行業務取扱管理者』は、観光庁が運営・実施しています。
旅行会社や代理店には、営業所ごとに総合・国内旅行業務取扱管理者試験に合格した人を「旅行業務取扱管理者」として1人以上(営業所の人数により変動)配置することが義務付けられています。
安心・安全な旅行を提供する上で、しっかりとした知識を持つ人が管理者としていることはとても重要なことですね。
実際の試験はどういうもの?
試験を受けるのに特別な条件はなく、誰でも受験をすることが可能です。
試験は、それぞれ年に1回の実施であるが、この記事を執筆している現在は、新型コロナウイルスの影響により、実施が見送りになるなどの影響が出ています。
マークシートの出題形式で、出題範囲は以下の通りとなっています。
国内旅行業務取扱管理者試験・地域限定旅行業務取扱管理者
①旅行業法及びこれに基づく命令
旅行業の登録や、旅行管理業務、広告や取引内容の交付などの法令・命令について出題されます。
②旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
契約の締結や解除、旅行会社の基本的な義務、そして旅行会社が持つ権利などについて出題されます。
③国内旅行実務
「JR・バス・フェリーなどの運賃(料金)計算」と「国内観光地理」に分かれます。
※地域限定旅行業務取扱管理者は、航空運送約款、航空運送料金、国内観光地理の問題を除外して出題される。
国内観光地理は、各地の年中行事なども出題され、幅広い知識を求められるため、多くの受験者が苦戦をしています。
料金計算に関しても、JRきっぷの団体料金の計算など、こちらに関しても多くの受験者が苦戦を強いられます。
総合旅行業務取扱管理者
上記の出題範囲に加え、海外旅行実務の範囲が加わります。
④海外旅行実務
以下の5つの内容に分かれます。
・国際航空運賃計算
・出入国に関する法令
・出入国および海外に関する実務
・海外観光地理
・旅行外国語
国内旅行業務取扱管理者試験も十分難しいですが、それに加え国際的な知識も必要とされます。
国際航空券の料金計算など、こちらも受験者は苦戦を強いられます。
ここまで、あくまでざっくりとした説明となります。
研修を受けていれば特定の科目が免除になるなど、個々人の状況によって異なりますので、詳しくは各実施団体のHPでご確認ください。
各HPサイト
▶︎ 総合旅行業務取扱管理者(日本旅行業協会)
▶︎ 国内旅行業務取扱管理者試験(全国旅行業協会)
▶︎ 地域限定旅行業務取扱管理者(観光庁)
旅行業界への就職・転職に有利な資格です
いかがでしたでしょうか。
国家資格なだけあり、難易度の高い資格となっております。
ただその分、所有していると旅行業界へ行くチャンスは大きくなるでしょう。
旅行業界への就職は考えてなくても、自分の知識を高めたい!という方にもおすすめです。