こんにちは、TRAVELERS SHOWです。
新型コロナウイルスの感染拡大で航空業界が世界的に打撃を受ける中、航空業界に大きなニュースが入りました。
韓国の航空会社でシェアトップの大韓航空が、2位のアシアナ航空を買収すると発表しました。経営再建中のアシアナ航空の主要債権者になる、韓国産業銀行が明らかにしました。
今回は、こちらのニュースについて紹介します。
韓国の航空会社シェア1位と2位が統合
韓国の航空会社でシェアトップの大韓航空が、2位のアシアナ航空を買収すると発表しました。経営再建中のアシアナ航空の主要債権者になる、韓国産業銀行が明らかにしました。
アシアナ航空をめぐっては、昨年から韓国の建設大手との間で買収交渉が進められていたが、新型コロナウイルスの感染拡大による業績の悪化で、買収交渉は破談となっていました。
その後、韓国政府が主導する形で経営再建策が進められ、今回の大韓航空による買収で合意に至りました。
大韓航空は「厳しい状況にある国内の航空産業の安定のために決めた。買収を終えれば世界の上位10社に入る航空会社になる」としています。
買収が実現した場合、韓国の国内線などのシェアが大幅に高まるので、公正取引委員会の審査も今後の焦点になります。
大韓航空とアシアナ航空とは?
そもそも、大韓航空とアシアナ航空は、どのようにして成り立ち、現在までに至っているのか、紹介していきたいと思います。
大韓航空
大韓航空は、1946年設立の大韓国民航空社を前身とし、国営会社である大韓航空公社として1962年に設立された会社で、大韓民国のフラッグ・キャリア(最大手航空会社)となります。
韓進グループの中核企業で、創業家の趙一家が経営を握っており、2000年代初頭にグループ会長となった趙亮鎬のワンマン企業と目されています。
アジアの中でも大手の航空会社の一つに数えられ、仁川国際空港を国際線用ハブ空港として、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オセアニア、北米を結ぶ航空ネットワークを構築しています。
1988年までは、韓国では唯一の航空事業者として活躍していましたが、アシアナ航空が設立されたことで、両社はライバル関係になり、運航機材や航空路線などで、激しい競争を繰り広げてきました。
また、2014年に起きた、当時の副社長である趙顕娥がナッツ・リターン事件を起こしたことは、日本のみなさんにも記憶に新しいのではないでしょうか。それ以外でも、様々な問題が指摘されており、創業一族へは厳しい目が向けられています。
アシアナ航空
1988年に設立された、韓国の財閥、錦湖アシアナグループの企業で、大韓航空に次いで韓国で2番目に大きい規模を誇る航空会社です。
国営の大韓航空の民営化で、仁川を中心とする韓進グループが韓国の航空業界で有利な地位を築いておりましたが、他の財閥や利害関係者からの圧力で航空会社参入自由化がなされ、1988年2月17日に錦湖グループによってアシアナ航空が設立されました。
しかし現代では、LCCなどとの競争激化で、2015年には経営が悪化し、2018年には本社ビルを売却し、それでも資金繰りに苦しむようになったため、錦湖アシアナグループは2019年4月、アシアナ航空を売却すると発表しました。
それからいくつかの企業が買収へと乗り出しますが、新型コロナウイルスの影響もあり、買収交渉が破断となっていましたが、今回の大韓航空による買収に至りました。
今後も航空業界の再編の動きが予想される
いかがでしたでしょうか。
人口の多い国を除く、多くの国々では、航空会社は1社に再編される流れでありましたが、韓国もそのようになりました。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う各国の移動制限もあり、世界の航空各社は厳しい経営状況にあるので、こうした再編の動きは今後、さらに出てくることも予想されます。
日本も人事の話ではないかもしれませんね。
今後の航空業界の動向に、引き続き注目したいと思います。